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居酒屋→ラーメン屋での修行

 
   

何をしようかと悩んでいたうちに池澤さんの紹介で新規オープンする居酒屋の手伝いをすることになりました。
「西原さんもゆくゆくは自分で居酒屋をやるんだったら、その前哨戦ということでやってみてもいいんじゃないか?」ということで居酒屋で働くことになりました。
僕は職人じゃないので料理の修行じゃなく、場所づくりということを修行したかったんです。
そのお店は、お客様目線で場所を作っているということがあって、こんな店があったらいいなぁと思っていたからこそ、その居酒屋に半年間手伝いをし、半年が経った頃に入社しました。

その後はその会社で串焼き屋をオープンし店長を任されましたが、赤字が続きラーメン屋に業態を変更したんです。
この時に麺屋団長というラーメン屋が誕生し、今の麺屋わっしょいの前身があります。

【最終日、過去最高の売り上げ】
そして結局、オーナーとの考えの違いや赤字が続きその会社を辞めることになりました。
しかし、この時の経験は今にとても生きていると思います。
赤字を解消する為にいろいろな事をしていきましたが、いい面でも悪い面でも、そこで様々なことを学ばせてもらいました。

その会社を僕が辞める日、麺屋団長で過去最高の売り上げになりました。
お客様もそれを見てくれていたと思います。
いつもは電車で出勤する僕もその日は車で出勤しました。
花をたくさん貰えると思っていましたから。
それだけの気持ちでもやっていましたから。
やっていたら通じることがあるんだろうと思います。
結局後部座席は花で一杯になりました。

 
   

独立、麺屋わっしょいオープンへ

 
   

それからは、着実に自店舗をオープンする準備をしていきました。
お店を出す為のお金は製麺会社の時から貯蓄をしていて、800万あったんです。
それでお店をオープンする前、キャッシュフローを作る時に「よし、ここまで来たら赤字でも3ヶ月先の支払いまではいける!」ということを思ってて「よっしゃこれで完璧や!」と思った矢先、オープンの3日前になったときに「レジ金がない!!」ということになりました。

そのままレセプション(お金は貰わないのでレジ金はいらない)をしながら「¥150,000のレジ金どないしよう」と心の中で考えていた時に、ある業者さんから祝儀をもらいまいた。

レセプションにその社長さんが来てくれて、「頑張れよ」と祝儀を頂いたんです。
レセプションが終わり、家でその祝儀を確認してみると、袋には「2」と書いてありました。
普通業者さんからの祝儀といったら¥5,000か¥10,000ぐらいなんですけど、「うわー社長¥20,000もくれて。」と思っていたらあけたら…ピン札で¥200,000も入っていたんです!!
次の日電話で「社長こんなにもらえませんよ。」と僕が言うと、「ええねん。お前はやる男やと思ってるから、先行投資や。」と言ってくれました。
そしてその¥200,000がレジ金になったんです。

【取り組み】
正直何の難しいこともしていません。麺屋わっしょいは「どこの店にもできることをどこの店にも負けないぐらいしている」ただそれだけなんです。
例を挙げていきます。
例えば、うちの店ではラストオーダーを取りません。
僕の考えですが、ラストオーダーをとるのって、早く片付けたいが為に行っている、完全なる店都合のシステムだと思うからです。
あと、閉店後でも来られたお客様には注文をお伺いしてラーメンを食べて頂きます。
お客様を追い返すことはしません。
それがスタッフにも浸透していて、23時まわってもお客様が「いける?」と入って来られても「いらっしゃいませ!」とお客様に「閉まってませんよ!」という想いを伝える為に、営業時間内より大きな声を出してるんですよね。
その結果、23時付近になっても満席になっていることもよくあります。
それともう一つ、開店時間は5分でも10分でも早めます。
待ってくれているお客様は少しでも早くラーメンを食べたいと思ってくれていると思うから、5分でも10分でも早く開店できるようにしています。
あとは、お客様の要望には可能な範囲では必ず応えています。
麺の固さや味の濃い薄い、野菜抜き、出来る範囲では必ず応えていきます。

こういうことってどの店もできることなんですよね。
でも手間がかかったり、費用がかかったりするからやらないだけで。
閉店後片付けた後に入ってきたお客様へのラーメンって、店側からしたら赤字なんです。
でもその一杯って絶対お客様の心に響いてるし、想いは伝わっていると思います。
そのお客様はまた、営業時間内に他のお客様を連れてくれるんです。

 
   

これから

 
   

そして順調に売り上げ3ヶ月目から黒字になりました。
1年で先行投資分も回収でき、どんどん貯蓄ができている状態です。
1年前はテレビ出たら忙しくなって…というようなことがありましたけど、今はテレビに出てなくても1年前の売り上げを抜いていますからね。
それだけ常連のお客様がついて下さっていることだと思います。

スタッフのみんなが頑張ってくれているからだとも思います。
のびのび自分のベストを尽くせる場を作れているからみんな頑張ってくれているのかなとも思います。
うちでは「こうしろ」とか「あんな感じでしろ」とかあまりとやかく言いません。
それでもやっては駄目なところなどはきちんと言いますがね。
それでものびのびやってくれているからいい状態なんだと思います。


2号店もラーメン屋をやろうかということも思っています。
今の店長が「ラーメン屋をしたい」と言っているから、次の店もラーメン屋をして、そのまま今の店長にその店を渡してもいいかなと思っています。

そして2年後には会社として株式会社を作りたいなぁと思っています。
そして本当の意味で自由な会社としての組織を作っていきたいと思います。
なんでもやればできることだと思います。

結局、人々を幸せにしたいとか、社会に貢献したいとか、そんな大きなことはあまり考えていません。
来てくれたお客様に元気になってもらえたらいいと思うし、何かあったら「わっしょい行こうか」と言ってくれたら、それでいいと思います。
そこが一番大切だと思います。


●そんな西原さんを一言で表すと?
「楽」ですね。
楽しいし、みんなには「仕事も楽しよう」と言っています。
仕事をしないということじゃなくて、楽しんで仕事しようということです。
スタッフのみんなには、「『麺屋わっしょい』のメンバーとしてやって欲しい」と言っています。
楽な仕事をしたいのなら他の店に行ってもらっても良いと思います。
楽な仕事じゃなく、しんどい事も楽しんでやるということが麺屋わっしょいで働く意味だと思います。

 
   

若者へのメッセージ

 
   

建前じゃなくて本音で自分の思っていることを言っていったらいいと思います。
偽善にはならないように。
例えば、何か社会に貢献するようなことをやるときには、やってる自分に満足するんじゃなく、自分のしたいことを実現する為に何かしていって欲しいと思います。
冒頭でも言いましたが、“学生=勉強”でも“学生=バイト”でもないから、もっと自分のしたいことをしていけばいいと思います。

 
       
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