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オークションで受けた衝撃

 
   

自分で車屋を始めようと思ったきっかけは、中古車屋さんが車を売ったり、仕入れたりするオークション会場に行った時でした。
その昔、中古車業界というのは、走行距離をいじって販売していたんです。
今はそんなことはないですけどね。
それで、中古車屋さん同士が殴り合いの喧嘩をしていた場面に遭遇しました。
あるAという中古車屋さんは80,000キロ走行している車を60,000キロと偽ってオークションに出品していました。
そしてBという中古車屋さんは100,000キロ走行している車を50,000キロと偽って出品していました。
そして、AとBはお互いの車に興味を持ち、走行距離を偽っている事が発覚し、「どちらが悪いのか?」ということで殴り合いの喧嘩をしていたんです。
結局、100,000キロを50,000キロと偽っている方が多く偽っているということで、Bが悪いという結論で決着はつきました。
でも、お客様にして見ればどっちも悪いですよね?
どちらも走行距離を偽っていますから。
その光景が自分の中ではかなりの衝撃で、「あぁ中古車業界を変えなあかんな」と切実に思いました。
だから、何も隠さずに全てを洗いざらい正直に見せる中古車屋さんしたいと思ったんです。
そんな事を思っていると、マネーの虎で有名なオートトレーディングの南原竜樹さんの秘書の方から急にメールが来ました。
当時、車を使って、ちょっとした小遣い稼ぎをしていたので(笑)、「そんなややこしい事せずにちゃんと車の販売せぇへんか?」と言われました。
そして説明会に参加してみると、南原さん本人がいて、本人から直接中古車屋さんの始め方や、南原さんのやり方などを教えてもらいました。
兼ねてからの想いもあったので、「やります!」とその場で返事をし、イチネンで培った職人さん達のパイプを活かし、中古車を安く仕入れ、きちっと直し、安く売る中古車屋さんを始めたんです。

 
   

安く、質のいい車屋さん

 
   

そうやって車屋さんを始めて、自分なりにいろいろと考えながら、失敗や挫折をたくさんし、その度に試行錯誤を繰り返してやってきました。
一番しんどかったのは、一人ということですかね。
手続きなんかも全部自分でしないといけないし、わからないことだらけですからね。
自分で会社を始めて、「会社ってなんでもやってくれていたんやな」と思いました。
でも、そうやって試行錯誤しながら自分のスタイルでもやってきましたが、その中でもたくさんの人の笑顔に出会いました。
特に、車に興味のないような人の笑顔は最高です。
「値段も安いし、状態はあまりよくはないやろな」と高をくくっている人が多いんですよ。
でも、一般の値段以上の質の車なんで皆さんびっくりされます(笑)
地道ですが、こうやって一人一人のお客様に喜んでもらうということが重要で、それが最終的に中古車業界を変えていくんじゃないかと思っています。

 
   

 
   

最終的には、自動車業界全体のカラーを変えたいんです。
業界全体が自動車業界と、大きなくくりで考えられているし、お客様には不明瞭なことも多いと思うんですよね。
オークションだと中古車が安く買えるなんてわからないですよね。
これからはリユース、リデュース、リサイクルの時代なのに、腕の立つ整備工場の職人さんも知らない人が多いと思います。
中古車業界は修理してくれる人がいないと成り立たない業界でもあるので、そういう人たちに焦点をあてて、もっとみんなに知って欲しいと思います。
本当に技術のある人ばかりですからね。
それに、町の修理工場の職人さんのかっこよさをいろんな人に知ってもらえれば、一つの憧れにもなると思うんです。
実際僕も職人さんに憧れを抱いてますから(笑)
若いうちにそんなかっこいい大人と出会えれば、もっと人生変わると思うし、車の楽しさも知ってもらえるんじゃないかと思っています。

 
   

若者へのメッセージ

 
   

仕事は「楽しいか?楽しくないか?」で判断すればいいと思います。
もしそれが見つからなければ、いろんな人と出会ってほしい。
そうすれば自ずとやりたいことって見つかると思います。
「やりたいこと」というのを突き詰めてほしいですね。
それが自分らしく人生を送る秘訣です。

 
       
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